Print Friendly, PDF & Email

東日本大震災の救援・復興にジェンダーの視点を(提言)

2011年5月11日
ジェンダー法学会理事会
(理事長 辻村みよ子)
 2011年3月11日の東日本大震災および福島第一原子力発電所事故によって被災・避難された多くの方々並びに関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。避難所支援や復旧・復興への取組が進み、原子力発電所事故が一日も早く収束しますことを心より願っております。
 さて、震災から2か月近くを経てなお、被災地や避難所の現状からは、女性への支援物資、プライヴァシーの保護、妊産婦の栄養補給、子どもの教育と精神衛生、性暴力とセクシュアル・ハラスメントの防止、高齢者・障がい者・外国籍者の支援等において、多くの課題が山積していることが看取されます。
 これらの問題は、いずれもジェンダーやセクシュアリティ、人権に関わる重要な課題でもあります。安全の確保や防災・復興等の取組については、男女の性差や男女共同参画の視点を踏まえた体制を確立することが不可欠です。
 とくに、昨今の復興構想会議や各地の防災・復興会議等では旧来の男性中心の構成がとられる傾向にあり、女性の人権やジェンダー平等の視点が不足することが危惧されます。
 今後の復興やコミュニテイの形成、防災・復興会議等の運営にあたって、男女共同参画社会形成やジェンダー平等の視点に立った取組が行われ、人権の保障が最優先されることを、国や地方自治体、防災・復興会議関係者、地域復興活動関係者・自治会長・地区長等の皆様に対し、強く希望する次第です。
(2011/05/19 更新)