Contents
ジェンダー法学会ハラスメント防止委員会規程
1条
2条
3条
4条
5条
6条
ジェンダー法学会ハラスメント防止宣言
ジェンダー法学会は、法学をジェンダーの視点からより深く研究すること、研究と実務の架橋をすること、ジェンダー法学に関する教育を開発し深めることを目的として、2003年12月に設立されました。ジェンダー法学会では、法学の視点から、ジェンダー問題への学際的な取り組みをおこなっています。
大学や学会においては、深刻なハラスメントの被害が後を絶ちません。ハラスメント被害は、とりわけ大学院生や助手などの将来のある研究者にとっては、今後の研究活動を大きく左右しかねないほどの重大な影響を与えることが明らかになってきました。
ジェンダー法学会は、個人の人権と自由および研究教育環境を守るために、セクシュアル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント、パワー・ハラスメント防止宣言を制定することとしました。
本宣言でいうハラスメントは、性別、社会的身分、人種、国籍、信条、年齢、職業、身体的特徴等の属性あるいは広く人格に関わる事項等に関する言動によって、相手方に不利益や不快感を与え、あるいはその尊厳を損なう一切の行為を指します。セクシュアル・ハラスメントとは、相手方の意に反する性的言動をいいます。また、アカデミック・ハラスメントは、研究教育上の上下関係や優越的な地位を利用して行う言動によって、相手方を不快にし、研究教育環境を害する行為をいいます。さらに、パワー・ハラスメントは、職務上の優越的な地位や権限を濫用した不適切な言動、指導または待遇などを指します。
とくに、学会でのハラスメントの被害は、大学を超えた指導や協力・連携の緊密な関係があるところから、専門分野の閉鎖性・人的なネットワークの強固性により、その研究者の将来を左右しかねません。学術研究活動に関連するハラスメントは、研究グループの人間関係の特殊性、協力関係のルールの不明確性、研究成果の帰属などをめぐって、業績の盗用、成果の捏造、研究費の不正使用という問題にまで発展することもあります。
ジェンダー法学会は、学術交流や研究教育の場でのハラスメントが、個々の大学や研究教育機関を超えた問題であり、学術活動全体に重大な影響を及ぼすものと認識し、その防止に取り組むことが社会的な責務であると考えます。
ジェンダー法学会は、学会活動におけるハラスメントの防止に向けて、会員にその防止を強く呼びかけるとともに、啓発活動など、可能なかぎり防止措置や教育研修の実施に努力し、性をはじめとする不当な差別や人権侵害のない自由で闊達な学術研究教育活動の実現に努めることを宣言します。